NMRPipe – 多次元NMRデータ処理・解析プログラム

 

NMR Pipeは、タンパク質解析用の高速多次元NMRデータプロセッシングソフトウェアです。

Bruker、Varian、JEOLのスペクトロメータをはじめとして、現在利用されているほぼ全てのスペクトロメータのRawデータファイルからNMR測定パラメータ、FIDデータを読み込むことができます。1次元から4次元までの多次元NMRデータに対応しており、データ処理はマクロ(シェルスクリプト)を使って高速に実行できます。

付属のNMRDrawは、データ処理用のGUIプログラムで、NMRPipeでのFT,フェーズ合わせなどの処理パラメータをGUIから選択してマクロとして出力でき、プロセスしたデータに対してのピークピックなどの操作を画面上からおこない、psファイルなどで出力できます。

また、オンラインマニュアルが整備されているので、マクロの各コマンドや、それぞれのメニューの説明が簡単に分かります。

  • TPPI、States(hypercomplex)、magnitudeなど様々な測定モードに対応
  • 溶媒シグナルの除去(time-domain convolution,time-domain polynomial)
  • Linear Prediction
  • MEM(Maximum Entropy Method)
  • 3D/4Dデータスライスの高速表示

対応システム

  • Sun Solaris2.6+
  • SGI IRIX6.x+
  • Intel PC Linux(glibc2.3~2.8 ※コマンド”/lib/libc.so.6”で確認可能)
  • Mac OS X 10.3.4
  • Windows 10 / 11
    (※Windows Service for UNIX Version 3.5+X serverが必要)

価格

製品の価格は、お問い合わせください。

ホームページ・マニュアル等

NMRPipe ホームページ

英文コマンドリファレンス

英文チュートリアル1

英文チュートリアル2

拡張機能プログラム(Add-on Program)

DYNAMO

 

DYNAMOは、NMRデータ(NOE距離制限、二面角 制限など)からシミュレーティッドアニーリングにより マクロ分子とタンパク質などの複合体の構造計算をおこなうプログラムです。

<主な機能>

  • 極座標系と二面角の角度の分子動力学
  • 極座標系分子力学
  • NMRによる構造決定のための単純化された力場
  • 原子座標のファイルと制限の入力
  • 制限のバイオレーションの出力
  • 高度なコマンド言語
  • 実験パラメータの表示(以下を含む)
    • NOEから算出される水素間の距離制限
    • NMRから算出される二面角制限
    • 2H/Cα同位体シフト制限
    • 13Cα、13Cβシフト値と1Hシフト値
    • クロスコリレーションスピン緩和速度
    • (ψ、φ)の二面角相関ポテンシャルデータベース
    • 3Jカップリング定数、1JCα/Hカップリング定数
    • 双極子カップリング

PCA/HSQC


PCA/HSQCは、滴定実験などで利用される HSQC 2D-NMRスペクトルの化学シフト変化を解析する 主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)での統計処理をサポートする、ドラッグデザインなどの現場で効力を発揮するツールです。 通常、HSQCスペクトルによる新規物質のNMRによる評価では、種々の添加物の滴定によりスクリーニングを行い、スペクトル処理には、数十スライスの2Dスペクトルの処理が伴いますが、PCA/HSQCでは統合的にデータを取り扱うことができます。

<主な特徴>

  • 数十スライスの2D-NMRスペクトルの系統的な処理
  • 数十スライスからなる2D-NMRスペクトル群の一括ピーク処理
  • 滴定によるピークシフトの自動追従
  • 滴定による各ピークの強度変化から結合活性度を評価
  • 制限のバイオレーションの出力

1D STD System

 

1D STD SystemはNMRPipeシリーズのTcl/Tk追加モジュールの一つで、自動 1D バッチプロセスおよびSTD(飽和移動差スペクトル)分析ツールです。

selNMRグラフィカルインタフェースは、自動的にデータディレクトリをスキャンし、スペクトルパラメータを表示し、測定方法、サイズ、次元数などからNMRスペクトルデータを抽出して選択することができます。

selNMRによって選択したスペクトルデータは、ezProc1Dなどの他のアプリケーションに送られます。ezProc1Dではバッチプロセス処理をおこない、自動フェーズ合わせとPostScriptプロット作成をおこないます。

また、適応リスケーリング、各ピークと全体スペクトルに対しSTD値を総括的に表示するSTD PostScript plotsなどの機能を持った、自動1D STD分析のためのツールもあります。

 

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